こんにちは! 名古屋の靴屋店員・のぞみんご です(^▽^)/
先日投稿した第一回目の記事はいかがだったでしょうか…。
個人的にはなかなかの力作だと思いましたが、あまりに癖の強い文章だったので、胸やけした方もいるかと思いますw
ガスター10でも処方いたしますので、服用いただきましたらまた改めてお付き合いください。
と、まあそんなことは置いておいて、
本日は、私物の靴紹介・第一弾として
今年の初めに購入した、
harvey(ハーヴィー)というブランドのコードバン・Vチップのご紹介をいたします!
1. harveyとは
ブランドの特徴
the-harvey.com
harvey(ハーヴィー)は、東京都の六本木にアトリエを構える国産紳士靴ブランド。シューズデザイナーの山中勝登氏を筆頭に、2018年から靴業界に参入しているそうです。
と、その辺はharveyのホームページや他サイトにもいくつか記述がありますので、そちらをご参照ください。あまりルーツを丁寧に書いても、ショップのブログみたいになっちゃいますからね(゜.゜)誤った記述でバッシングされたくないだけ。
取扱店舗は、全国で14店舗ございます。
詳しくはコチラのページに記載されていますので、ご覧ください。
https://the-harvey.com/index.html#stockist
なお、在庫を直接確認したわけではないので、もし気になる方は街頭店舗へ直接ご確認ください。
また、harveyさんのホームページからでも購入が可能ですので、そちらもご覧ください。
結局、ショップのブログみたいにかしこまっちゃいましたねw
いけないいけない(;^ω^)
もっとフランクに書かなきゃ汗
harveyの話に戻りますが、
個人的に感じたハーヴィー全般の特徴は、
〇作りの丁寧さ
〇取り扱う皮革の豊富さ
〇木型の精巧さ
です。
まず、つくりの丁寧さですが、商品サイトを見ていただければわかると思いますが、アッパー・ソールどちらのステッチワークも非常に丁寧です。
アッパーに至っては、めちゃくちゃ細かいというわけではありませんが、均一性はピカイチに高いです。
ソールのだし縫いもかなり丁寧に施されており、ソールの縁と縫い目の幅のがたつきは全くありません。
取り扱う皮革についてですが、僕が購入したコードバンのような繊細な革から、ショルダーやクロムエクセルなどの、武骨な革まで、かなり幅広く取り扱っています。
最後に木型について、様々なモデルを足入れした率直な感想としては、足に沿うような、アーチがしっかりと描かれた靴という印象が強かったです。
かかとや踏まずホールド感においては、
国内比較になりますが、リーガルやスコッチグレインなどと比べると、かなりイイように感じます。(リーガルでもDRシリーズだと遜色ないフィッティングです。スコッチグレインは…。)
ただ、フィッティングに一つ難点があるとするならば、ヒール位置は割と高いため、外くるぶしが低めの方はゴリゴリと当たってしまう可能性がありますので、要注意です。
2つのコレクション
harveyには、2つのコレクションがあり、取り扱う革の種類や底材などがかなり違ってきます。
一つ目は
「レギュラーコレクション」
こちらのラインは、ショルダーやオイルドレザー、クロムエクセルなどといった、武骨でガシガシ履けるタイプの靴がそろっています。
こういうのとか、
こういうのとか、
こういうのとか。
結構武骨なラインナップですよね!
最後のマウンテンブーツなんか、めちゃめちゃかっこいいと思います!
ヒールの積み上げをわざとずらしてるところなんか、ホントに涎垂ものです。。。
底づけの精巧さも相まって、相当頼りになる靴が揃っているので、旅のお供としての靴をお探しの人にはうってつけのコレクションだと思います!
そして、
二つ目が「プレミアムコレクション」
こちらは、完全にドレスに振り切った、ハイクラスラインですね☆
これとか。
これとか。
まじでかっこ良くないですか?
ほとんどのモデルにコードバンが使用され、木型もレギュラーコレクションに比べて、より洗練されたものを採用しています。どちらのラインも足入れしましたが、正直なところ、こちらのコレクションの方が段違いに良いです。
しかも、
お値段なんと10万円(税別)ですよ!?
このクオリティで、この価格は正直ヤバいと思います(・・;)
おさらいしますと、
・ガシ履きしたい人はレギュラーコレクション
・コードバンシューズが欲しい人はプレミアムコレクション
でお選びください!
2. 選んだのはコードバン・Vチップ
購入したのは、こちら!
プレミアムコレクションの「ケンジントン」というモデルです。
どうですか、この流麗なフォルムと色合いは。
めちゃくちゃ美しいと思いません?
かなりきれいなネイビーですが、履き込んでいくと徐々にエメラルドグリーンのような色味も出てくるので、エイジングが楽しみでしょうが無いです!
デザイン的には、Aldenのモディファイドラスト54321のVチップにそっくりです。
たぶん意識してるんじゃないかなと思いますが、縫製の丁寧さや個体差の少なさは確実にharveyに軍配が上がりますねw(Aldenの事を悪く言っているわけではありません! 僕もAldenは大好きなんで(`・ω・´)b)
にしても、
ケンジントンって名前、靴のモデル名に多すぎませんか?
シェットランドフォックスとか、クロケットとか、トリッカーズとか・・・。
まあ、名付け方が似てるからしょうが無いけど。
購入動機
動機は簡単。
自分のお店にあって、
「うわ、なにこれカッコイっ!!」ってなったからですw
ちょうどそのタイミングで、よく来てくださるお客さんのK様が、当店オリジナルのネイビーコードバンシューズをご購入いただいたことで、
「僕もコードバン欲しい!!」
と思い、購入に至りました(`・ω・´)b
特徴その① 革の王様・コードバン!
なんと言っても、一番の特徴はここでしょう。靴好きなら誰もが一足は手にしたいコードバン!
コードバンとは、農耕馬のおしりから取られる、非常に希少な革です。
記事を見て下さっているほとんどの人が靴・革好きだと思うので、これ以上細かくは説明はしません。
もしご存じない方がいらっしゃいましたら「コードバンとは」でググれば細かい説明がたくさん出てきますので、調べてみてください!
harveyで使われているコードバンは、コードバンタンナー最大手のホーウィン社のものではなく、国内タンナーのものを使っているそうです。
サイトには「国内屈指のホースタンナーの協力のもと開発したシェルコードバン」と謳われていますが、詳細は明記されていません。いったいどこのタンナーなんですかね(。_゜)
国内屈指というくらいですから、新喜皮革さんでしょうか。
ちょっとそこらへんは分かりませんが、とにかくこのツヤ感!
なだらかですべすべの革と、ネイビーのカラーが相まって、奥に引き込まれるようなツヤに脱帽。
いつまででも見ていられる・・・。
特徴その② パないフィット感
コードバンってだけでも買って良かった!って思えるんですが、この靴のすごいところはフィッティングも神がかり的に良いところです(゜Д゜)
具体的に、
・ツイストの効いた木型
・親指重心でゆとりのある設計
・かかとのホールド感
・左右非対称の後足部
・土踏まずの絞り
の5つが挙げられます。
クロケットと比べてみる
僕が持っているくつのなかで、一番プレーンなラストである、ブルックスブラザーズ別注のクロケット&ジョーンズと比較をしてみました!
※結構がっつり比較しますが、決してクロケットのフィッティングが悪いというわけではありませんので、そこだけご注意を。
①正面から見たときの比較
ちょっと角度が悪い(~_~;)
でも、違いはお分かりいただけると思います。
クロケットに比べてharveyの方が、ぐぐぐっとねじれているような感じがしませんか?
このねじれが、上手いこと足に沿うようにフィットしてくれるので、歩行のしやすさに繋がるみたいです。
国内ブランドだと、シェットランドフォックスなんかは、このねじれをかなり重視した木型を作っていますね。
②上から見たときの比較
これはかなり分かりにくいですね汗
まあ、なんとなくそんな感じに見えるかな?
くらいで聞いてくださいm(__)m
かかとから親指方向にかけて、harveyの方が親指側にゆとりを設けてあります。
このゆとりが少ないと、足が外側に流れてしまい、快適な歩行がしにくくなってしまうらしいです。
確かに、親指側の筋肉の方が大きく発達していますし、力の伝達も強いので、親指に自由が効いている方が足の筋肉を効率よく使えるというのは頷けますね!
③後ろから見たときの比較
注目して欲しいのが、乗っけている定規の角度。
クロケットは平行に近いですが、harveyの方はくるぶしの内側と外側でかなり高さの差がありますね!
外くるぶしを下げることで、くるぶしの干渉による痛みを避けるとともに、
内くるぶしに高さを出すことで「回内」と呼ばれる、足が内側に入り込んでしまうのを防ぎます。
そして、ヒールがこれまた良い包まれ具合なんです!
単純にかかとを小さく作るのではなく、忠実にかかとに沿わせた形になっているので、痛みが全くないのに、かかとがすっぽ抜けないという、非常に理想的なフィッティングが実現されています。
④ソールの比較
どうですか、結構攻めてるでしょ?
クロケットと比べると、かなり足なりなソールですよね。
踏まずの絞りはもちろんのこと、内振り具合もかなり良い感じです。
ちなみに「内振り」というのは、かかとからつま先にかけてキレイでやや大振りなカーブを描いている状態で、良いフィッティングの条件の一つなんだそうです。もっと細かい条件はあるみたいですが、そんなことで頭でっかちになる必要は無いので、この程度の理解で十分だと思います。
比べてみると、クロケットよりも強い弧を描いているのが分かりますね(⌒∇⌒)
特徴③ 中物はコルクじゃない!
グッドイヤーウェルテッド製法の靴には、かなり高い確率で中物にコルクが使われています。
コルクは、衝撃吸収性に優れている反面、劣化したり、底が沈んでサイズ感が変わってしまったりするのが難点ですよね。
ただ、harveyは違います。
この靴には、コルクの代わりに「高反発スポンジ」を採用しているので衝撃吸収性は落とさず、劣化や沈み込みのリスクをぐっと下げてくれます。
同じような素材の中物を使うメーカーとして、スコッチグレインが挙げられますが、スコッチグレインの中物は硬すぎて、地面からの衝撃をもろに受けるので、harveyの中物の方が優れてるのかな〜と個人的には思っています。
3. サイズ感
僕の足は、
・クロケット全般:7h
・チー二―:7h(ミリタリーラストは7)
・サージェント:7h
・カルミナ:7~7h
という感じで、
UKサイズで7〜7h、JPサイズで言う25〜25.5cmが多いですが、harveyも同様のサイズ感でした!
しかし、本来は41(25.5cm)で適性なんですが、ちょうど在庫が無くて泣く泣く42を購入し、タンパッドで調整をしています(;´Д`)
でも、木型がとても足なりでフィット感が抜群にイイので、ハーフサイズ大きくても全然気になりませんヽ(゜∀゜)
4. 実際に履いてみた感想
しっかりとプレメンテしたおかげで、かなりいいシワが入りました(^^♪
そして、
コードバン特有の、なめらかで瑞々しいツヤ感がたまりません!
フィッティング通り、
歩きやすさは手持ちの靴の中で一二を争うレベルです(一位はやっぱりサージェントかな(゜_゜) 今度サージェントの記事も取り上げますね!)
忠実に、足型を木型に落とし込んだんだな~という印象で、踏み出したときの足返りの良さには驚きです(◎_◎;)
4. 終わりに
いかがだったでしょうか。
なかなか手に入れづらいブランドなので、こんなに詳しく書く必要はなかったかもしれませんが、それでも伝えたかったこのブランドの魅力。
一足の靴から、ブランドやデザイナーさんのこだわりがひしひしと伝わってきます。
ご興味をもっていただいた方は、ぜひ直営サイトを覗いてみてください!!
それでは(@^^)/~~~
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