靴みんごぶろぐ

靴屋で働く22歳 のぞみんごです。革靴の沼に肩までどっぷりと浸かった日常をお届けします。

我々はなぜフルメンテするのか

こんにちは(^O^)

名古屋の靴屋店員・のぞみんごです!

前回は、フルメンテ特集 番外編として「コバ磨き」を取り上げました!

nozomingo.com

これでようやく、mingo式フルメンテはフィナーレを迎えました! 記事で見るとなかなか長い道のりでしたが、いざやってみると、そこまで大変な作業ではないので、ぜひ試して欲しいですね(^▽^)/

今回は「なぜ革靴はフルメンテをしなければいけないのか」について綴ってみましたので、皆さんの意見と照らし合わせながら見ていただけたら嬉しいです!

ではご覧ください(^。^)

1. フルメンテをする理由

フルメンテを4つの記事に渡って解説するくらいですから、もちろんそれだけ必要な作業だということは、ご理解いただけると思います。では、具体的にどのような理由があるのかというと、

ロウ&油分の入れ替え

ニオイ予防

テンションの爆アゲ

この3つが挙げられます。

もっといろいろとお考えがある人はいると思いますが、あくまでも個人的見解でこの3つを重要視してるだけなので、文句があってもあんまり責めないでくださいね^^; (ちなみに、汚れ落としはデイリーメンテナンスの一つだと思っているので、今回は省いています)

では、一つずつピックアップして解説します!

①ロウ&油分の入れ替え

靴クリームに含まれる成分というのは、どうしても劣化してきてしまいます。基本的に自然由来の成分が多く含まれてますから、当然と言えば当然ですよね。

保革・ツヤ出しとしての役割をもつロウ分は、古くなると硬化し始めて、靴の屈曲性が若干悪くなったり、ワックスが割れてしまったりします。

以前、YouTubeで「FORZA STYLE」さんが取り上げていた動画に、靴磨き専門店「TWTG(The Way Things Go)」の石見さんを取材したものがありました。

www.youtube.com

石見さんは動画内で「フルメンテすると履き心地が軽くなる」とおっしゃっていました。たしかに、わずかですが体感があります。

靴クリーム、なかでも乳化性クリームと呼ばれるものには、ロウ・油脂・水分が含まれているのですが(有機溶剤も)、

水分→油分→ロウの順番で揮発しやすくなっています。これらが程よく革に浸透している状況が望ましいのですが、どうしても水分・油分が先に揮発してししまいます。そして、放っておくとロウだけが革に残り、それが硬化して足当たりが悪くなる、という流れですね。

また、ロウだけでなく、油分も劣化します。劣化という点においては、ロウよりも油の方が劣化は進みやすいです。油というのは酸化という運命からは逃げられません。

自炊されている方はご存じだと思いますが「サラダ油の賞味期限は開封1〜2ヶ月を目安にしてください」と聞きますよね。

油の酸化には、

・空気(酸素)

・高温

・光

など、様々な要因があり、それらの影響により、酸化が促進されます。

それを踏まえて考えると、たとえ靴クリームに酸化しにくい材料を採用していたとしても、革靴がサラダ油よりも酸化しやすい環境に立たされているのは火を見るより明らかですよね。

空気には常に晒されていますし、温度に関しては、日中のアスファルトの地表温度は夏場は60度にも昇ると言われています。もちろん光に関しては、常時日光浴状態です。

これを考えると、いくら酸化しにくい油分を使っていても、定期的に油分を入れ替えてあげた方が、革にとっては良さそうです。

www.mitsuoka-clinic.or.jp

こちらの記事を参考にさせていただきました。

油は自動酸化により過酸化脂質に変化するそうです。これが人体に幾分悪影響を及ぼすみたいですね。

ただ、人間の身体に悪いからといって、死んだ牛の革に同じ事が言えるのかといわれれば、答えはNOです。

全く条件が違うので、これに関しては全く言い切れません。

ですが、生きている人間を基準に考えて対処すれば、死んだ牛の革にも良さそうな感じがしませんか?(一切科学的根拠がなくてスミマセン・・・) 

皮革用品のメンテナンスとは「死んだものをいかに劣化させず保存できるか」なので、劣化に繋がりそうなものはできるだけ排除したいのです。そのため、できるだけ酸化するまえに油分を入れ替えましょう!という考えに至ったのです。

あとは、上述しましたが、油分も揮発してしまうため、失われた分を補給するという意味でも、定期的にメンテナンスの必要がありますね。

(ちなみに、この工程はいわゆる「栄養補給」にあたるんですが、僕的には古いものと新しいものを入れ替えるという意識が強いので、このタイトルにしました。)

②ニオイ予防

汗をかくと不快に感じる要素のひとつが、ニオイ。ところが、エクリン腺から出る汗にはニオイの原因となる物質はほとんど含まれていません。汗が皮膚の表面でアカや皮脂などと混じり合ったところで、これを細菌が分解することでニオイ物質が発生し、臭くなるのです。※汗の基礎知識 - 汗はなぜ臭うの?より引用



人間は、一日のうちに足からコップ一杯分(約200ml)の汗をかくと言われています。正直、あまり実感が湧きませんが、そうらしいですね。

ニオイ発生のメカニズムとして、汗が皮脂や角質と混ざり合い、それをバイキンさんがエサにして分解することでニオイが発生します。もちろん足の皮膚常在菌の働きでニオイは発生しますが、靴の中や革に潜む雑菌が悪さをした場合もニオイが出てしまうんですね。

しかし、定期的にメンテナンスをすることで、菌の死滅・菌発生の予防ができます。

「mingo式フルメンテ」で採用しているタピール・レーダーオイルには、汚れ落とし効果だけでなく、抗菌・防カビ効果なども期待できるので、これを使えばバッチリですね! 

汚れ落とし後に除菌シートを使って除菌するのも効果的だと思います!※どちらも100%滅菌できるわけではないので、ご了承ください( )

ちなみに、

・毎日同じ靴を履かない

・履いた後はしっかり除湿する

ということが大前提なので、これを必ず守ってくださいね。

また、ニオイが定着してしまった靴には、サフィールのレノマットリムーバーなどのような強力なクリーナーを使うと効果的です!



③テンションの爆アゲ

はい、これを感じられるようになったら、あなたも立派な靴磨き好きです。

正直なところ、これが一番の理由かもしれません。

なんて言うんでしょう、靴を磨いているときって、ほんとにワクワクするんですよね。たくさん履いて少しクタっとした靴が、みるみるうちにピカピカになっていく姿を見ると、とにかく心が高鳴るんですよo(^-^)o 

それでもって、磨きたての靴履いて歩いているときの高揚感たるや。これが味わいたくてフルメンテをしているといっても過言ではありません。テンション爆アゲ、気分上々!!

①、②では、何かと理屈っぽいことをつらつら述べましたけど、この理由に比べたら鼻くそみたいなもんですよ、ぶちゃけ。

もちろん、革のことを考えての理由というのは間違いありません。でも、この理由が土台にあるからこそなんですよ。

正直、メリット・デメリットとか、コスパとか、そういうのばかり気にしていたら面白くないじゃないですか。

靴磨きだけじゃなく、何にとってもそうですよね。

僕はコーヒーを淹れるのが趣味で、朝起きたら必ずハンドドリップでコーヒーを淹れます。たしかに時間はかかりますし、ドリップマシーンやカフェバリスタで淹れたものと、そこまで差があるのかと言われれば、それほどでもないです(ハンドで淹れた方が美味しいのは間違いありませんが)

でも、コーヒー豆を削ったときの芳醇な香り、コーヒードームの豊かな膨らみ、できあがったコーヒーを喉に注ぐときの幸福感、これに勝るものはいくら探しても見つかりません。本当に大好きなものは、どれだけ手間がかかろうと、その手間すら愛せてしまうものです。

僕にとって靴磨きは、それと全く同じなんです。フルメンテって正直面倒くさいと思います。

冒頭に「そこまで大変な作業じゃない」とか言いましたけど、1足当たり1時間くらいかかりますし(レーダーオイルで一晩寝かせるので、本当はもっとかかります)、場所も取るし、腰も痛い。

でも、そういう面倒を全部ひっくるめてもやりたいと思えることに意味があるんじゃないでしょうか。

ところで、コスパって言葉がいつから生まれたんですかね(。_゜) 

「生活するにあたって最低限必要っていうモノ」に使う言葉としてはアリですが、少なくとも自分が趣味だと思っていることに対して使うのはどうなんでしょう。そういうことに囚われて頭でっかちになっていては、いつまで経っても心の底から楽しめないと思いますね。

ワクワクやドキドキがあってこその趣味であり文化だと確信して、今日も僕は靴を磨きます(^^)

2. フルメンテの頻度

まず、フルメンテの頻度についてお話しします。

結論から言うと、ずばり

2ヶ月に1回!!!

ちまたでは「1ヶ月に1回はフルメンテしてください」と良く言われていますが、個人的にはそんなに高頻度にやらなくてもイイと思っています。

これに関しては、靴磨き業界の消費を盛り上げるための策略的な意味合いもあるんじゃないかなと思います。だからと言ってエビデンスはあるのか?と言われると、特にないので弱いですw 

ただ、靴を5年間磨いてきて、それなりに靴の声的なモノが聞こえるようになってきてから(ヤバい、こいつ頭おかしくなってきたぞ)、1ヶ月だとまだまだデイリーメンテナンス時に、しっかりと反応が返ってくるんですよね。

「最近調子どう? もう1ヶ月経ってるけど」ってブラッシングしながら聞いてみると、

おれ、まだ磨かなくて大丈夫っす!!

って言ってくるんですよ。

・・・。

なんて、超自然的感性で語られても全く意味不明だと思うので、少し数字的なお話をします。

たとえば、

・革靴を3足ローテーション

・仕事履きのみ

週休2日制(およそ21日出勤)

この条件で考えてみると、1ヶ月のうちに1足当たり7回の使用となります。

ぼくは、7回しか履いていないのにフルメンテするのは流石に早過ぎると思うのです。というのは、適正なクリームを適正な量使っていれば、ものの一ヶ月で悪くなることは考えにくいからです。

月一の頻度でやってしまっては、クリームの劣化によるダメージよりも、フルメンテすることによる革へのストレスの方が大きいんじゃないかと思います。

前回に塗布したクリームをクリーナーで除去してから新しいクリームを入れるので、少なからず革への負担にはなりますよね。

そして、ロウ分・油分の入れ過ぎにも繋がります。特に、油分を入れ過ぎると、革が柔らかくなり過ぎて耐久性を低下させてしまう場合があるのです(◎_◎;)

これを考慮すると、1ヶ月に1回はやはり多すぎます。

ですが、クリームの劣化は防げないので、ある程度の頻度でクリームを入れ替える必要はあります。この時にとてもちょうどいいタイミングが2ヶ月に1回なんです。

先ほど例に挙げた3足ローテーションの場合で考えてみましょう。

まず、3ヶ月に1回でシミュレーションした場合、1足あたり21回。これは結構な履き過ぎです。

もし、4足以上で履き回しているとしても、やはりクリームの劣化には逆らえません。履かずとも劣化は進んでしまうので、3ヶ月だと期間が空き過ぎになっちゃいますね。なにより、ブラッシングしたときの反応がだいぶ悪いです。

「おい、大丈夫か!? しっかりしろ!」

『・・・んぐっ、オーナー、俺もうカラカラっす…』

という感じに。

2ヶ月でフルメンテでした場合は、1足あたり14回です。そこまで履き過ぎというほどでもないと思います。クリームの劣化も進み切る手前といったところでしょうか。

オーナー!そろそろっすかね(*´з) 給油お願いします!</b>』 <br /><br /> という、まだ多少生き生きとした声が聞こえます(・ω・´)b

また、mingo式の場合、比較的酸化の遅い植物性油脂・ロウを多く配合した靴用品を使っているので、安心して2ヶ月履いていただけます。

このように「1ヶ月だと短いけど、3ヶ月はスパンが空き過ぎ」という理由で、2ヶ月に1回のフルメンテをオススメしています!

3. おわりに

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フルメンテ後のクロケット&ジョーンズ

今回も、なかなか趣旨がブレましたw

最初は、「mingo式フルメンテ総集編」として、過去4つの記事をまとめたものを書こうと思っていたのですが、フルメンテの必要性を書き始めたら、キーボードの打つ手がまあ止まらないこと(@_@)

最後にも念押しで言っておきますが、

僕は、道具の声が聞こえてきたり、パソコンやステレオに「お疲れさん!」とか言ったり、極めつけは、壁に小指をぶつけたときに「うっわ痛ってえ、おまえ大丈夫?(;´Д`)」と聞いてしまったりするほど、自然的感性100%で成り立っている人間なので、科学的根拠はあるのか!!!と問い詰められたらバリバリに弱いです。

逆に、科学的に裏付けがあるものがあれば、とても勉強になるのでぜひ教えていただきたいです(´ω`)

次の投稿では、ちゃんとフルメンテの総集編を作りますので、そちらもご覧くださいませ(^▽^)/

それでは!(@^^)/~~~

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